信頼関係が無くても怒った事には訳がある!
目次
1.その場で褒めたり、学級通信で褒めたり
もちろん私は常に子供たちのガンバリを認め、称える声かけを続けていました。
「遠い音楽室にも間に合ってるんだって!」
「休み時間が慌ただしくなっちゃうね!」
「それでも、みんな時間を意識して守っているんだね!」
「体育の先生や音楽の先生から、褒め言葉をもらったよ!」
『学校の中で1番、時間を守ることが出来ているクラス!』
『1番、遠くに教室があるのに、いつも時間を守れている!』
『2年生や3年生の見本になってる!』
『遅れてくるときも急いで来てくれる!』
『必ず「遅れてすみません」と言ってくれるから許しちゃう!』
『遅れ理由は前の授業が長引いたしか聞いたことがない!』など
さらに私は先生方からいただいた「嬉しい言葉」を、学級通信で保護者の方にも伝えていました。
授業参観でも「クラスの自慢」として親御さんに伝え、家でも褒めていただいたのです。
2.授業中にしゃべりながら移動する3年生
5月の終わり頃。
私と1年A組の子供たちは「総合」の授業を技術室で行っていました。
授業が始まって5分ほどが経ったころ。
3年A組の子供たちが技術室の前の廊下を通っていきます。
学級委員を先頭に体育館に向かっているようです。
(最初は気づかなかったのですが、後方に渡壁先生がいました。)
3年A組の子供たちは各教室が授業中にも関わらず、まるで休み時間のように大きな声でおしゃべりをしながら歩いています。
その声の大きさに、私も1年A組の子供たちも驚いていました。
3.うるさい3年生を注意した!
百歩譲って、授業中に体育館に移動することは許すとします。
もしかしたら、何か事情がある可能性も捨てきれないからです。
※ 授業中に体育館に移動した理由は係の子が「御用聞き」をサボったからだそうです。
もし、事情があるのであれば、他のクラスの「授業の邪魔」にならないよう、「静か」に、そして、「急いで」体育館に向かえばよいのではないでしょうか?
しかし、3年A組の生徒は「急ぎ」もせず、さらには休み時間のように大きな声でしゃべりながら廊下を歩いています。
私は技術室のドアを開け、大きな声で注意をします。
「こらっ!」
「授業中だぞ!」
「静かにしろ!」
「移動するなら黙って、急いで行け!」
「他のクラスに迷惑をかけるな!」
「3年だろ!」
「他の学年の見本になるように行動しろ!」
4.小声で文句を言ったり、睨んだりする○○
私を睨む子供もいれば、小声で文句を言っている(ように見える)子供もいます。
ただ、子供たちはそれ以上の反抗を見せませんでした。
私が赴任してきたばかりの生徒指導主事で、どのような教師か分からなかったからでしょう。
下手に反抗して目を付けられたり、ボコボコにされるのを恐れたのでしょう。
(もちろん、体罰をする気はありません。笑)
私の強い指導により、3年A組の子供たちは静かになり足早に体育館に向かいました。
しかし、子供たちの後方にいた1人が私を睨んでいます。
そうです、渡壁先生が私を睨んでいたのです。
5.職員室に戻ると3年主任から・・・
総合の授業が終わって職員室に戻ると、渡壁先生が私の所にやってきます。
「先生は生徒指導主事とはいえ来たばっかりでしょ!」
「さらに3年生の授業をしてないよね!」
「当然、3年生との信頼関係は0(ゼロ)に近いでしょ!」
「部活の子くらいしか知らないよね!」
どうやら、先輩教員として(?)、3年学年主任として(?)、私にダメ出しをしにきたようです。
「信頼関係がないのに大きな声で怒鳴ったら逆効果だよ!」
「次から西川先生の言うことを聞かなくなるよ!」
「西川先生が怖いから指示を聞く子はいるかもしれないけど。」
「生徒指導主事として問題行動を起こした子の指導をするでしょ!?」
「でも、あんな怒り方をしたら、3年生は言うことを聞かないよ!」
「もうちょっと、怒り方や信頼関係の作り方を考えた方がいいよ!」
「子供心理学を学んだ方がいいんじゃない?」
6.何で注意をしないの?信頼関係があるの?
当時から「学校心理士」や「ガイダンスカウンセラー」の資格を持っていた私に対して、よく「心理学」の話ができたものです。
渡壁先生のダメ出しにはツッコミどころが満載でした。
『そもそも、授業中に廊下を歩いているのはおかしいでしょ!』
『さらに、大声でおしゃべりしているのもダメでしょ!』
『っていうか、後にいたなら注意をしろよ!』
『学年主任3年目なんだから、信頼関係が出来ているはずでしょ!』
『信頼関係が出来ているアンタが注意をすれば静かになったんじゃないの?』
『ん?』
『もしかして、信頼関係が出来ていないから注意をしなかったの?』
『信頼関係作るのに何年かかかるの?』
『2年じゃ足りないってこと?』
『アンタこそ青年心理学や児童心理学、発達心理学を学んだらどうですか?』
もちろん、私は大人ですので先輩である渡壁先生のアドバイスを静かに聞き流しました。
7.なぜ、3年生を怒ったと思いますか?
皆さんは私が3年生の子供たちを怒った理由がわかりますか?
私は自分が怒ったことで「3年生の行動」が変わると思っていません。
さらに言うと、「3年生」のために怒った訳ではありません。
もちろん、私の強い指導をキッカケに「自分自身を振り返る3年生」が1人でもいてくれたのであれば、それは嬉しい事です。
しかし、生徒指導はそんなに単純なものではありません。
・子供たちが悪いことをした!
→教師が強い指導をした。
→子供たちが自分の行動を反省した。
→2度と同じ過ちを繰り返さなくなった。
このようなことが現実に起こるのでしょうか?
もちろん、そんなことはありません。
8.悪い事をしている子を怒らなかったら・・
私が3年生を怒った理由は「自分」の為と言えるでしょう。
もし、あそこで「生徒指導主事」の私が3年生のおしゃべりを注意しなかったら。
もし、「1年A組の担任」である私が3年生のおしゃべりを注意しなかったら。
私のクラスの子供たちはどのように思うでしょう?
「先生は常に時間を守れって言ってる!」
「遅れるときは他のクラスに迷惑がかからないように静かにと言ってる!」
「3年生は時間を守らず、さらに大きな声でしゃべってる!」
子供たちが3年生の行為を迷惑に思っている時に、私が3年生を注意しなかったら・・・。
「えっ!?」
「何で先生は怒らないの?」
「いつも、あんなにダメって言ってるのに?」
「1年生は怒るけど、3年生は怒らないの?」
「もしかして、3年生が怖いの?」
「結局、先生は弱い物しか注意しないんだ~。」
「最低~。」
9.子供も教師もルールを守らなきゃダメ!
私は3年生を怒ったあと、クラスの子供たちに言いました。
「周りに迷惑をかけるのはダメだよ!」
「それは、1年でも、2年でも、3年でも一緒!」
「ダメなものはダメだからね!」
「だから、先生もちゃんと時間を守るよ!」
「もし、遅れてきてもエラそうにしてたら、みんなが怒ってね!」
「でも、謝ったときは許してね!笑」
この子たちが3年生になったとき、A中学校は保護者や地域、他校から「お褒めの言葉をたくさんいただく学校」となります。
さらには、部活の大会でほとんどの部活が優勝や準優勝、3位以内にはいり、成績も地域で一番の学校となります。
このように、A中学校の「荒れ」が改善した1つ目のポイントが「この指導」だったと私は感じています。
なぜなら、この子たちが卒業して5年後の成人式で、次のような言葉を言われたからです。
「あの時、先生が3年生を怒ってビックリしたよ!」
「岩泉先生や沢登先生は3年生がうるさくても注意してなかったよ!」
「西川先生は良くも悪くも差別(区別)しないんだって思ったよ!」
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