荒れを「子供」や「親のしつけ」のせいにする主任
目次
1.小学校の服装の基準と中学の服装の基準
私は「中学教師の先輩」「生徒指導の先輩」として、島田先生の学年が「荒れ」てしまった理由を伝えます。
「先生!」
「1年生の頃、制服や体育着のシャツだしを注意しなかったでしょ!」
『うん!何で分かるの?』
「小学校って私服が多いでしょ!」
「制服の学校もあるけど、だらしなく着こなしていても注意しないでしょ!」
「だから小学校の先生が中学にくると服装のことを注意しないんですよ!」
「するとそのクラスの服装がどんどん乱れる。」
「少しすると服装だけでなく、他のルールも守らなくなるんです。」
『確かにそうかもしれない。』
『去年の5月ころ、生徒指導主事の先生に1年生は服装がだらしないと言われた!』
2.授業を早く終わらせたり延長したりも×
「授業の時間も曖昧にするときがありませんか?」
『あるよ!』
『あとチョットで終わるから、やらしてもらうときもある。』
『逆に早く終わった時は早めに休み時間にしているよ!』
「それも小学校の先生あるあるなんです。」
「小学校は担任が全ての授業をするので授業時間を曖昧にしてしまうんです。」
「長くなると、子どもたちが次の授業の準備ができなくなるでしょ。」
「逆に、早く終わると他のクラスが授業をしているのに廊下で騒いだりする。」
「どちらにしても、教師は時間をしっかり守らないとダメなんです。」
「勉強を嫌いな子は、チャイムを楽しみにしているのに延長したらかわいそうですよ!」
3.4月や1学期に支援や指導に力を入れる!
「何事も最初が肝心なんです!」
「入学当初は子どもたちもガンバる気持ちでいっぱいでしょ!」
『中学に入ったガンバるぞ!』
『心機一転、ガンバろう!』
「そのときに、子どもたちのガンバリを見つけて、褒めてあげることが大切なんです!」
「認められたり、褒められたりすれば、更にガンバろうと思える。」
「また、先生は『見てくれている』と感じれば、自然と悪いこともしなくなるんです。」「もちろん、その後も『出来て当たり前』ではなく、『出来ている事』を褒め続けるんです。」
「それによって、ルールを守ることが当たり前になるんです。」
『僕は西川先生の言っている事と反対の事をしていたよ!』
『小学校と同じように服装や時間について何も言わなかった。』
『問題行動が起こった時も怒らないで優しく諭すダケだった。』
「それで、問題行動が減りましたか?」
『全然、減らない!』
『むしろ、増えてるくらい!』
「減らないのなら別の方法を試さないとダメでしょ!」
「いじめの被害者が我慢を続けなければならなくなってしまうでしょ!」
「まずは、いじめ加害者の事を考える前にいじめ被害者のことを優先しないと!」
4.発達障害やしつけの問題じゃないの?
『加害者も話を聞くと、その場では謝るんだよね!』
『でも、また同じようなことをする!』
『これって、発達障害や親の育て方の問題じゃないの?』
「問題行動は子どもや親、発達障害のせい?」
「そんなこと言ったら、教員研修とか必要ないんじゃないですか!」
「教師の支援や指導は無意味ってことになりますよ!」
「正しい支援や指導をすれば子どもは変わります!」
島田先生は真剣に私の話を聞いて下さりました。
ただ、最後に次のようにつぶやいていました。
「でもな・・・。」
「あの子たち言うこと気かないしな・・・・。」
5.カツアゲ、深夜徘徊、いじめ、万引きなど
この頃からA中学校の悪評が他校にも広がるようになりました。
生徒指導主事の研修でもA中学校の話題が頻繁に上がります。
「B中の子たちをカツアゲしたらしい!」
「深夜徘徊で10人ほど警察に補導されたんだって!」
「いじめがひどくA中から転校してくる子がいる!」
「近所の評判も悪く、暴言を吐いたり、ペットにケガをさせたりしている。」
「近くのコンビニで何度も万引きしている子がいる。」など
A中学校の生徒指導主事はとても力のある先輩教諭です。
しかし、その先生が私に次のように言ってきました。
「2年生がヤバイんだよ!」
「まったく言うことを聞かない!」
「とにかく学年の先生がなめられてる!」
「だから、問題行動の対応は学年以外の教師でやってるんだよ!」
「西川先生、来年、A中に来てよ!」
「そして、生徒指導主事を変わってよ!」
6.「あと1年で地獄から解放される!」(主任)
翌年の3月。
島田先生がA中学校に勤務を初めて約2年が経った頃、島田先生から飲み会のお誘いがありました。
飲み会での島田先生は「残念な事」と「嬉しい事」があったと言っています。
「12月に小学校への異動願いを出したんだよね!」
「ただ、小中交流は3年と決まっているからダメだって校長に言われた!」
「これが残念な事ね!」
どうやら、島田先生は自分の学年の子供たちを放り出して小学校に戻ろうとしていたようです。
「でもね、今年で3年が経つから絶対に小学校に戻すって確約をもらった!」
「もし、小学校に戻れなかったら組合に訴える事も伝えたよ!」
「何度も校長に確認をして『絶対』と言われたから大丈夫だと思う。」
「後1年で小学校に戻れるんだ~。」
「やっと、この地獄から解放される!」
「とにかく、後1年を何とか乗り切るよ!」
これが「嬉しい事」だったようです。
7.3年をまねて2年でも問題行動が多発!
その年はA中学校の悪い評判がさらに増えた年でした。
島田先生の学年が3年生です。
本来は3年生は「学校の見本」とならなければなりません。
しかし、島田先生の学年は「学校の悪い見本」となってしまいます。
そんな3年生を見て育ってきた(?)2年生も着実に問題行動を増やしていきます。
生徒指導部の研修では「A中学校の2年生」による被害報告も多く上がるようになっていました。
「A中学の2年がC中の3年にケンカを売った!」
「○○駅の裏でもめていたところを警察に指導された!」
「近くのコンビニでは何度も万引きをしているらしい!」
「2年と3年がつるんで落書きをしたり、公共物を壊したりしている!」など
8.3年の先生は誰も子供を怒れない!
A中学校の生徒指導主事はとても力のある先輩教諭です。
しかし、その先生が私に次のように言ってきました。
「新3年は相変わらずヤバイんだよ!」
「もう、学年の先生は何も言えなくなってる!」
「注意をしてくれと言うと『ハイ』と言うんだけど・・・。」
「優しく声をかけて、子供のご機嫌取りをしてるんだよ!」
どうやら、島田先生は子供を注意したり、指導したりしていないようです。
「さらに新2年もヤバいんだよ!」
「新3年の悪行をズッと見てきてるからな~!」
「下手すると来年はもっと悪くなるかも!」
「主任はあの渡壁先生だから!」
渡壁先生は「問題行動を起こす生徒」や「いじめの加害者」「その親」たちから絶大な信頼を得ている先生です。
子供たちを「怒るのは良くない」と思っている(?)先生で、どんなに悪いことを子供がしても笑顔で話を聞き、優しく諭す先生です。
※ 私の書籍「学校の裏話シーリズ」にたびたび登場する先生でもあります。
9.A中学校で生徒指導主事をして?イヤです!
A中学校の生徒指導主事は何度も私を誘います。
「西川先生、来年、A中に来てよ!」
「生徒指導主事を交代してよ!」
「オレは来年もいると思うから、学校改善に協力するよ!」
「先生の下でガンバるからさ~。」
私が異動を断ると・・・。
「オレ、教育長と知り合いだからさ!」
「西川先生のことを教育長に伝えておくよ!」
「とにかく、助けてよ~!」
「一緒にやろうよ!」
しかし、私はきっぱりとA中学校への異動を断りました。
「いや~。」
「A中学校には行けないんですよ~。」
「今、甥っ子が2年生にいて、来年は姪っ子が1年生になるんですよ~。」
「近い親戚がいるところには行けませんからね~。」
「一緒に働けなくて残念です~。」
10.小学校に戻った先輩!そのとき私は?
その年の2月。
島田先生から飲み会の誘いをいただきました。
後2ヶ月で小学校に戻れる島田先生はニコニコ、ウキウキです。
「ついに小学校に戻れるよ~!笑」
「昨日、校長から内々に小学校への異動を教えてもらったよ。笑」
「いや~、あと1ヶ月半だよ~!笑」
「思うと、長いようで短かったな~。笑」
「あの子たちも卒業だよ~。笑」
「早いな~。笑」
「やっと小学校に戻れるよ~。笑」
「楽しみだな~。笑」
「ちなみに西川先生は異動するの?」
私は質問に答えます。
「昨日、校長から内々に異動を伝えられました。」
「A中学校で生徒指導主事となることが決まっているそうです。」
「甥っ子と姪っ子がいるのに・・・・。」
「何で島田先生の尻拭いを・・・・。」
その日の飲み代は島田先生が払ってくれました・・・・。
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