えっ?次は雪の降る地域へ異動?諦めるしかないの・・・人事異動⑦

離任式

1.権力をもった校長先生ありがとう!


2.異動先は雪が降る所?

 ある学校に赴任した私は中学1年生の担任となりました。そして、翌年は中学2年生、さらに翌年は中学3年生の担任となります。最初に担任をした子どもたちと一緒に学年が上がっていったのです。

 3年目。私は他の学校に異動することになっていました。当時20代後半だった私の異動先が決まるのは最後の最後です。

 その年の3月中頃。私は校長室に呼ばれます。そこで、初めて次に異動する学校のヒントをもらうことができたのです。

「異動先はまだ言えないけど寒い所だよ!」
「その学校の校長と教頭は西川先生と同じ教科だよ!」
「とても勉強になると思うからガンバってね!」
「明日にでも異動調査表を書き直してもらうからヨロシクね!」

 私の住んでいる所から車で1時間ほど移動すると雪が降る町があります。校長先生の言葉から私の異動先は100%、その町の学校のようです。

 職員室に戻った私に隣の席の先生が話しかけてきます。

「どうだった?」
「どこに行けって?」

 私は「寒い場所」「校長、教頭がともに同じ教科」と伝えます。

「A市のB中だよ!」
「あそこの校長と教頭は先生と同じ教科だよ!」
「絶対に決定だよ!」
「あそこは評判が悪いからね~!気をつけてね!」

3.雪が降る学校は大変!

 早速、雪が降る学校に勤務している知り合いに連絡をします。

「冬は雪かきをやるから大変だよ!」
「生徒が登校する前に、道路と玄関前の雪かきをするんだよ!」
「部活をやるときも雪かきしなきゃいけないし。」
「そうそう、車のスタッドレスタイヤも買わないとダメだよ!」

 私の住んでいる所は数年に1度しか雪が降りません。そのため雪がとても苦手です。もちろん、雪かきをしたこともありません。

 スタッドレスタイヤと言う言葉もこのとき初めて知りました。冬用のタイヤなんですね。私はすぐにスタッドレスタイヤの値段を調べます。するとそこには6~8万円という数字が・・・・。

 事務室で「A市に勤務した際のスタッドレスタイヤ購入費」について聞いてみます。当然ですが事務室からは「自腹です」と言う返事が戻ってきました。

「寒いところに行きたくないよ~。」
「スタッドレスを買いたくないよ~。」
「雪かきなんてしたくな~い!」

4.ため息をついている私に神の手が!

 私の心の叫びが神に届いたのか?ある先生が私に声をかけてきました。

「先生、ため息ばかりついてどうしたんですか?」

 今年度の4月に新規採用教員として私のクラスの副担任に配属された牧田先生です。

「今年は異動するって話をしたよね!」
「どうやら異動先がA市のB中らしいんだよ!」
「雪は降るし、車の運転は怖いし、遠いし・・・」

 すると、牧田先生から神の言葉が発せられます。

「父が生徒指導のできる先生が欲しいって言ってましたよ!」

 実は牧田先生のお父さんはC市D中学校の校長なのです。

3.神の言葉「父に頼んでみましょうか?」

「先日、父に西川先生の話をしたんです。」
「そうしたら『そういう教師が欲しい』って言ってましたよ!」

 どうやら牧田先生は私の良いところを、お父様に話してくれたようです。

「父に頼んでみましょうか?」
「家に帰ったら相談してみます!」
「でも、先生はC市でも大丈夫なんですか?」

 何もしなければ「寒い」「雪かき」「スタッドレス」は決定です。私はダメ元で牧田先生のお父様にお願いすることにしました。

4.神の言葉「荒れてるけど大丈夫?」

 翌朝。牧田先生が笑顔で私の所にきます。

「おはようございます!」
「父に聞いてみましたよ!」
「そして、父からの伝言を預かってきました!」

『うちの学校は荒れてるけど大丈夫?』

 私はすぐに牧田先生に返事をしました。

「荒れていても大丈夫と伝えて下さい!」
「学校を良くするためにがんばります!」
「よろしくお願いいたします!」

5.寒い学校への異動調査表の書き換え命令が下される!

 翌日。私は校長室に呼ばれます。

「もしかしたら、雪スタッドレスではなくD中に変更か?」

 しかし、校長が私を呼んだ理由は、私の希望を打ち砕くものでした。

「異動調査表の最後の欄にA市B中って書いて。」

 どうやら、完全に「雪スタッドレス」への異動が決まったようです。残念ですがスタッドレスを買わなければなりません。

 また、校長が異動調査表の下の欄に「A市B中」と書くように要求したのは、その後のトラブルを回避するためのようです。

 当時の私は何も考えず、指示されるままに異動調査表に「A市B中」と記入しました。どうやらコレは組合に加入していた私への対策ということです。

「私は異動希望に書いていない学校にムリヤリ転勤させられた!」

 私がこのように言って組合に訴えたとき、「A市B中」と記入された書類があれば、どのようにも戦えます。

「西川先生が自分で書いている書類があるんですよ。」
「本当に行きたくなければ記入はしませんよね。」
「脅した?そんなことはしませんよ。」など

 もちろん、私は組合に訴えませんでしたが、訴えたところで理由が「雪かき」「寒い」「スタッドレス」では、到底、勝つことは出来なかったでしょう。

6.校長会会長の「鶴の一声」で異動先変更!

 翌日。

 私は再び校長室に呼ばれます。校長室では校長が異動調査表を出していました。

「A市B中の所に訂正印を押してくれる。」
「そして、その横にC市D中って書いて!」

 どうやら、私の異動について教育委員会から校長に連絡があったようです。それにより私の異動先がC市のD中に決まりました。

 元々、希望をしていなかった行政異動でもあり、さらには、それほど重要ではない教員の異動です。牧田先生のお父様が、鶴の一声を下さったことで、私の異動先は「寒い」「雪かき」「スタッドレス」から変更になったのです。

「寒い所と言ったのは間違いだったよ!」
「少し荒れが強い学校になるようだ!」
「大変だと思うけど、がんばって下さい!」

 どちらも同じように「荒れている」と評判の学校でした。どうせ荒れている学校に行くのであれば「寒い」「雪かき」「スタッドレス」よりは、「温暖」な地域の学校に行きたいと思いませんか?

 後から聞いた話では牧田先生のお父様は、校長会の会長をしている超大物校長だったそうです。

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