支援(指導)の後の確認、称揚で子供が積極的に!
目次
1.学級崩壊クラスには当たり前が通用しない!
昨年11月、知り合いの校長からこのような依頼を受けました。
「小学校5年生のクラスが学級崩壊になりかけてるんだ!」
「担任が何を言っても聞かなくなている!」
「主任と教頭がなんとかがんばってるんだけど、そろそろ限界なんだよね!」
「残りの5ヶ月で月に1回、道徳の授業をしてくれない?」
「形はゲストティーチャーだけどメインで授業をやって!」
私は様々なパターンを想定して授業の計画を立てました。
数日後、私は1回目の授業を行うために小学校を訪ねます。
しかし、授業を行うにあたって最初に大きな問題(?)にぶつかりました。
「授業以前に学校生活の基本ルールが全く身についていない!」
私は「初めて授業」を行う時は、次のようなことを意識して授業に臨みます。
「褒める場を意図的に作って良い所を見つけよう!」
「それ以外でも褒める行動や発言があれば意図的に褒めていこう!」
「子供の良い所を見つけ褒めてあげることで、気持ちを前向きにしよう!」
しかし、子供たちの状態は・・・・。
私と子供たちは初対面でしたが、それ以降の授業のことを考え、私は子供たちを注意することを決めました。
2.おしゃべりをせず話に聞きいる子供たち!
前半の子供への注意が効いたのか?
私の話術に聞き惚れたのか?
子供たちは私の話を熱心に聞いてくれたり、質問に答えたりしてくれました。
主犯格の彼も「私の教え子の面白い話」から、顔が緩んできているのが分かります。
時計を見ると授業の残り時間は15分です。
私は子供たちに次のように伝えます。
「ごめん!」
「みんなの反応が良いから、ついつい気持ちよく話しちゃった!」
「今日は班対抗クイズをやるんだった!」
「時間が少なくなっちゃってごめんね!」
「今日は半分だけやって、残りは次回にやろう!」
子供たちは「班対抗クイズ」に興味をもったようです。
「班対抗クイズって何?」
「どんなクイズなの?」
「班で戦うの?」
3.仲間それぞれに得意な分野がある!だから相談!
私は子供たちに「班対抗クイズ」の説明をします。
「それじゃあ、1問目を言うから聞いてね!」
「あっ、でも、答えが分かった人も同じ班の人以外には言わないでね!」
「最後に合計点で順位をつけるから!(実際は順位はつけません)」
『第1問』
『鬼滅の刃の柱を全て答えなさい!』
すると、ある女の子が次のように言います。
「先生!」
「私はアニメを見ないからこの問題は分からない!」
「K-POPの問題なら分かるのに!」
私は彼女に次のように伝え、周りを見るように言いました。
「このクイズは班対抗って言ったよね!」
「班の仲間と協力するんだよ!」
「自分が分からない問題でも・・・・。」
彼女は同じ班の子を見回します。
すると同じ班の女の子が不敵な笑みを浮かべてOKサインを出したのです。
4.1人ひとりが主役になれる問題を準備!
もちろん、小中学生の女子がK-POPが好きなのは分かっています。
当然、私はK-POPに関するクイズも準備していました。
少しして、先ほど「アニメが分からない!」と言った彼女が大きな声で言います。
「K-POPの問題だ!」
「コレは私に任せて!」
「私はセブチの大ファンだから全員の名前を言えるよ!!」
「ミンギュでしょ、ホシでしょ・・・・。」
すると同じ班の男の子が人差し指を口の前にかざします。
「大きな声で言っちゃダメだよ!」
「他の班にばれちゃうよ!」
彼女は班の仲間に謝って、他の班に聞こえないように答えを伝え始めたのです。
5.学級崩壊あるある「話し合いで机を付けない」
話を少し前に戻します。
説明が終わった後、私は子供たちに次のような指示を出しました。
「机を班の形にして!」
すると、ここでも「学級崩壊あるある」を見ることができます。
・班の形になるときに他の子と机を付けない!
・4人の机がキレイな四角形にならない。
このクラスの班隊形は「学級崩壊あるある」の典型的でした。
男子は男子同士、女子は女子同士で机を付けます。
しかし、男子と女子はお互いに机を付けようとしません。
6.周りの事を考えられない子供たち
また、班対抗クイズの解答用紙を配ると・・・・。
クイズを仲間と協力して解くように言っているにも関わらず、男子は自分たちの机の上に解答用紙を置いています。
コレでは女子が問題を読んだり答えを書いたりすることができません。
「男子にはやる気があるから解答用紙を自分たちの机の上に置いている。」
このように解釈することも出来ますが、実際は「自分勝手」「自己中心的」という状態で仲間の事を考えていないだけなのです。
私は机間支援をしながら、全ての班の机をキレイにくっ付けていきました。
同時にクイズの解答用紙を全員が見やすい机の真ん中に置き直していったのです。
7.担任が班の机を付ける動きを見せたが・・・
私が各班の机をピッタリ付けて回っているのを見た担任は近くの班の机をピッタリ付けるために動き出してくれました。
『担任がやっと動いてくれた!』
『やっと教員らしくなってきたな!』
『いいぞ!』
『それで良いんだ!』
『机をピッタリ付けるように言わない=子供の意志を尊重ではない!』
『ダメなものはダメで良いんだ!』
私がこう思っていると失礼な発言をする男子がいました。
「何で机を付けるの!」
「やだ~な~!」
この発言を聞いた隣の女の子が申し訳なさそうな表情をしています。
8.机を付けるのを少しだけ我慢して(担任の言葉)
私が失礼な発言を注意しようとすると、担任が驚くべき発言をします。
「カウンセラーの先生が机を付けるように言ってるからね。」
「少しだけ我慢しようね~。」
担任は失礼な発言をしている子供を注意するどころか、失礼発言を肯定し、隣の子供に「あなたが我慢しなさい」と思われる発言をしたのです。
この失礼発言は「隣の女子」に対しての「いじめ」ととってもよい発言です。
それを、担任は肯定してしまったのです。
担任には申し訳ありませんが、私は強い口調で「失礼発言」を注意しました。
「班で協力するんだから机を付けるのは当たり前でしょ!」
「机を付けたくないと言うのは班の仲間を汚いと思っているの?」
「それは完全にい差別発言だよね!」
「いじめにつながる発言だから親や教育委員会に連絡するよ!」
ただ、子供を怒るダケでは問題は解決しません。
この子に対しても逃げ道を用意してあげます。
「いじめるつもりで言ったの?」
「それとも、何も考えないで言っちゃった?」
「何も考えないで言ったなら、次から気をつけてくれれば良いけど・・・。」
失礼発言をした男の子はスグに答えました。
「いじめるつもりはありませんでした!」
「何も考えずに言っちゃったダケです!」
私は「これからは気をつけようね」と軽く注意をして班対抗クイズに話を戻したのです。
9.授業中にするべき事を理解する子供たち
主犯格の彼は「私が班の机を付けて回っている」のを見たからか、私が彼の班に着く前に仲間同士で机をピッタリ付けていました。
※ 普段から机を付けていた可能性は・・・、ないと思います。
それを見た私は次のように思いました。
『早速、彼を褒めるチャンスが来た~!』
私は彼の班の所に行き、次のように言います。
「お~!」
「この班は自分たちで机をピッタリ付けている!」
「班で協力する姿勢があるね~!」
「いいね~!」
「先生に言われなくても、自分たちで考えて行動をしてるね!」
「素晴らしい!」
10.良い現れはその場で褒めて認める!
また、彼の得意分野のクイズを出した後も彼の班の近くに行きます。
当然ですが、彼は得意分野のクイズについて班員に説明をしていました。
「おっ!」
「この班はちゃんと話し合いができてるね!」
「Aくん(主犯格くん)が中心になっているのかな?」
「先生はこの班みたいに、みんなで協力している姿を見るのが好きなんだよね!」
「机も自分たちで付けていたもんね!」
「この班はみんなの見本になるね~!」
「他の班もチャンと出来ているかな~?」
私の言葉を聞いたAくんは笑顔になっています。
さらには他の班の子供たちも私に褒めてもらおうと、みんなが協力してクイズの答えを書き始めました。
「キーン、コーン、カーン、コーン。」
ここでチャイムがなって、初めての授業は終了しました。
11.えっあの子たちが授業を受けてる!?
その後、私は合計4回の授業を行いました。
ただ、1回目の授業で自分の思ったとおりの支援ができたことで、2回目以降の授業では何も苦労することはありませんでした。
子供たちが「班の仲間で協力」を自分たちで率先して実践してくれたからです。
私は授業での子供たちのガンバリを「見つけ」「褒め」「認め」たダケなのです。
担任以外にも、校長や教頭、主任が私の授業を見に来て下さいました。
また、何人かの保護者の方も授業参観にいらっしゃって下さいました。
私の授業を見に来た方々が口をそろえて言ったのは、次のような言葉です。
「あの子たちがチャンと話を聞いてる!」
「あの子たちが班で話し合いをしている!」
「あの子たちが出歩いていない!」
「あの子たちが・・・・・・・」
12.支援→確認→称揚→自主行動→のサイクル完成!
子供たちが一生懸命に活動をしてくれるようになったので、私は授業の中で子供たちの行動をたくさん褒めました。
すると、子供たちはさらに積極的に活動してくれるようになります。
当然、私はさらにたくさん褒めます。
校長や主任、保護者にも子供たちのがんばりを発信しました。
私の授業の効果なのか(?)他の授業でも以前に比べ「出歩き」や「おしゃべり」が減ったとの嬉しい報告もいただきました。
私は常に思っています。
「学級崩壊は『子供たちの質』や『親のしつけ』の問題ではない!」
来週が最後の授業でしたが、残念ながらコロナウイルスの流行により中止になってしまいました。
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