小中合同会議で子どもと親の悪口を言う教師
目次
1.自分の指導力を棚にあげ悪口ばかりの担任
春休みに新中学1年生のクラス替えをするときに「子どもたちの悪いところ」ばかりを伝えてくる小学校の先生がいます。「学級崩壊」を起こしてしまった学年の先生ほど「子どもたちの悪いところ」を伝えてきます。
※『 』は私の心の声なのですが・・・・。
「Aくんは、本当にだらしないんです!」
「毎日、忘れ物をしてきます。」
「宿題も全く出しません!」
「親が面倒を見ていないのでしょう!」
「要注意人物なので気をつけて下さい!」
『忘れ物を減らすために、どのような支援をしたのですか?』
『宿題を出させていないのですか?』
『Aくんに何と声をかけていたのですか?』
『親ができないのであれば、先生が一緒にやるのはどうですか?』
『何も支援をしていないなら、あなたが要注意教師ですよ!』
2.「協調性がない!」→『学校で教えるものでしょ!』
「Bさんは頭はいいけど協調性がないんです!」
「マイペースで自分勝手なことばかりします!」
「親がテストで良い点をとる時しか褒めないからだと思います。」
「頭が良い=エライと思ってるようです!」
「親の教育が間違っているから、性格がゆがんでいるのでしょう!」
『勉強をがんばってるのは良い事だと思います。』
『もちろん、勉強が全てではないことを教えていきたいです!』
『協調性は学校で学ぶものだと私は思います。』
『自分勝手な行動やマイペースな行動をした時、どのように声をかけたんですか?』
『頭の良い子なので信頼関係が出来ていれば話を聞いてくれると思いますが・・・。』
『勉強以外にBさんの良い所を教えて下さい。』
『もしかして分からないんですか?担任なのに?』
3.「授業中うるさい!」→『授業がつまらないんだよ!』
「Cくんは、授業中おしゃべりばかりするんです!」
「教師の話を全く聞きません!」
「授業の邪魔ばかりしてくるんです!」
「勉強ができないから仕方ないかも知れませんが。」
「本当にうるさいので気をつけて下さい!」
『おしゃべりした時に先生がした声かけを教えて下さい。』
『その時のCくんの態度やその後の対応も教えて下さい。』
『Cくんと話が出来ましたか?』
『先生が一方的に注意をして終わらせていませんか?』
『即時確認や即時称揚をしましたか?』
『単純に先生の授業がつまらないんじゃないですか?』
4.「発達障害だから!」→『インクルーシブを知ってますか?』
「Dくんは、落ち着きがありません。」
「すぐに出歩いたり、おしゃべりをします。」
「多分、発達障害でしょう!」
「親が自分の子と他の子が違うと認めないんです!」
「検査をすれば一発で分かるのに!」
『落ち着けない理由は発達障害だからですか?』
『あなたはどんな支援をしたんですか?』
『検査をしてもらいたいと親に言ったんですか?』
『発達障害の診断が出たら支援をするんですか?』
『インクルーシブ教育ってしっていますか?』
5.「不登校だから楽!」→『支援はしないの?』
「Eさんは、不登校なのでほとんど学校に来ていません。」
「親も不登校を受け入れています。」
「面倒ですが月に1回はプリントを届けて下さい!」
「多分、学校に来ることはないので楽です!」
『不登校になった理由はなんですか?』
『不登校は親のせいではないです!』
『支援はしていないのですか?』
『楽っていうのは失礼じゃないですか?』
6.ガマンできなくなり心の声を口に!
あるとき、私は小学校の先生の悪口に我慢ができなくなり、心の声を口に出してしまいました。
「Aくんには宿題を出せるようになってもらいたいですよね。」
「そのために、先生が今までに行った対応を教えて下さい!」
「上手くいったこと、いかなかったこと、どちらでも結構です!」
小学校の先生は黙ってしまいました。
「Bさんが、自分勝手なことするのはどんなときですか?」
「その時には、どのような声かけが効果的ですか?」
「これに関しても、先生が試した対応を教えて下さい!」
この先生も黙ってしまいました。
「Cくんが、おしゃべりするときはどんなときですか?」
「全ての先生の授業でおしゃべりをするんですか?」
「先生はどのような工夫をしたのですか?」
こちらの先生からも回答はありません。
「Dくんを発達障害と決めたのは誰ですか?」
「発達障害と思っているのであれば合理的配慮が必要ですよね!」
「どのようなインクルーシブ教育を行っていたんですか?」
この先生はあからさまに不服そうな顔をしました。
「Eさんの親が不登校を受け入れた気持ちがわかりますか?」
「たくさんツラい思いをしてきたと思いますよ!」
「不登校の原因のほとんどがクラスの人間関係です!」
「どのような学級運営をしたんですか?」
この先生のクラスは「学級崩壊」していたようです。
7.校長室に呼ばれて・・・
翌日、私が職員室で仕事をしていると校長室に呼び出されます。
「小学校の先生に失礼なことを言ったらしいね!何でそんなことを聞いたの?」
『失礼な聞き方をしたつもりはありません。純粋に子どもの苦手を改善するアドバイスが欲しかっただけです。』
「そうは言ってもね~。小学校から『バカにされた!』と苦情が来ています!」
「小学校の先生にも考えがあるんですよ!あなたの考えと違うからと言って、それを否定しないで下さい!」
「あなたは何様のつもりなんですか?」
ちなみに、私が教員を辞めた理由の1つは、この校長の言動にあります。
8.問題行動を親のせいにして自分の指導力を改善しない教師
子どもが問題行動を起こしたり、不登校になったりすると、学校はその理由を「親の育て方」にする傾向があります。もちろん、親の「育て方」によって、問題行動を起こす確率が変わることは否定しません。
ただ、この考え方を元にすると「学校」や「教師」がどのような支援をしても「問題行動」や「不登校」は解決しないことになります。なぜならば、「問題行動」や「不登校」の原因は「親」であると言っているからです。当然、親が変わらなければ子どもは変わらないという結論に行き着いてしまいます。
本当にそうなのでしょうか?私は教員時代に様々な子どもの対応や支援を行ってきました。深夜、警察に生徒を迎えに言ったことは1度ではありません。この子たちの問題行動は続いたのでしょうか?そんなことはありません。全員が学校生活を楽しく送れるようになり全日制高校に進学していきました。
不登校の子どもも同様です。他のクラスで不登校になった子どもの担任となり、全ての不登校の子どもが私のクラスで登校できるようになりました。私の自慢は「教員生活25年で自分のクラスから不登校を1人も出したことがない」というものです。
もちろん、中学校にも自分の指導力を疑わず「問題行動」や「不登校」を親や子どものせいにする先生がいます。反対に、小学校にも子どものことを真剣に考え、自分の指導力を改善しようと努力をしている先生もたくさんいます。ただ、年々、自分の指導力を疑わず、問題行動や不登校を親や子どものせいにする先生が増えていることは間違いないように思います。
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