クラス替え本番!人間関係を考える!クラス替え③

クラス替え

クラス替えの一番大事な部分を!


1.人間関係を元に短冊の入れ換え

 ここからがクラス替えの本番となります。なぜなら、子どもたちの1年が掛かっているからです。単純に「好きなこと一緒で良かった」や「嫌いな子と離れて良かった」ではなく、「このクラスで良かった!」「みんなと仲良くなれた!」「一緒に努力できた!」のように1人ひとりの子どもが成長できるようなクラスをつくりたいと思っていました。

 最初に行うのは「人間関係」の項目を確認して短冊を入れ替える作業です。

「Aくんは、Bさんをいじめた加害者だ!別のクラスにしよう!」
「不登校のCさんはDさんと一緒にしないとまずいな!」
「EさんとFさんは同じクラスにするとうるさくなる!」
「GくんとHさんはクラスでイチャイチャするから離そう!」など

親からの訴えやお願いがある場合もココで反映されます。

「親からの要請でIさんとJさんは一緒にできない!」
「スクールカウンセラー経由でKさんとLさんは別のクラスと言われています!」など

 ある学校で学級編成会議をしていると、突然、校長がその部屋にやって来ました。

「先日、Mさんの親が私に相談にきた。」
「Nさんと同じクラスにして欲しいと言ってきた。」
「だから、MさんとNさんは同じクラスにしてやってくれ!」

 このように校長や教頭などに、直接、クラス替えのお願いをする親もいます。

 ちなみに私は、少し違う視点でクラス替えを行っていました。

「OくんとPくんは一緒だと元気倍増でおもしろいかも!」
「この2人をクラスの中心にすれば活躍するのではないか?」
「Qさんは誰と一緒になれば笑顔が増える?」
「RくんとSくんは部活は違うけれど、いつも一緒に帰っているから仲が良いはず!」
「TさんとUさんは○○オタクだから、同じクラスにしてあげたいな!」
「次の会議までに、もう一度、子どもたちを観察しながら考えよう!」

2.担任となった時を想像して入れ替え!

 クラスの形が決まってくると、今度は「担任として」「主任として」クラスをみていき、意見を出し合います。

「Vくんの親は若い女の先生を目の敵にしてるから男の先生がいいのでは?」
「2組には学級崩壊の主犯Wがいる!担任は怖い先生が良いと思います!」
「1組はモンスターペアレントが多くないですか?」

 各クラスの担任がほぼ決まっている(先生たちが勝手に決めている)状態で「クラス編成会議」をしたことがあります。その学校はいわゆる荒れている学校でした。その先生たちは、自分のクラスに面倒な子を入れたくありません。

「私のクラスもモンペがいるので、これ以上は入れないで下さい!」
「僕のクラスにもモンペがいるので入れないで下さい!」
「私は、(自分の)子どもが小さいので問題児を担任することは出来ません!」
「Xくんってオタクですよね!気持ち悪いので誰か引き取って下さい!」
「Oちゃんはかわいいから僕のクラスに入れて下さい!」
「お母さんが美人だからKくんをもらいます!」

※ これらの会話は実際に「学級編成会議」で語られた言葉です。

3.最後の確認と調整

 3月の前半になると、クラス替えはほとんど終了しています。当然、「新しいクラス」も完成しています。予定されている最後の学級編成会議では最後の確認と最終調整を行います。

「同じクラスに同じ部活の子どもがいるか?」
「旧クラスの子どもが同じクラスにいるか?」
「全てのクラスにピアノを弾ける子どもはいるか?」
「PTA役員が各クラスに1人いるか?」など

 小学校では、この時点でクラス替えは終了となります。ただ、高校受験が関係している中学校の場合、最後に新クラスの成績の「平均点」を計算します。あまりにも平均点に差がある場合は、数人の生徒を入れ替えて調整をします。ただ、人間関係を優先して、成績は考えない主任もいます。

 問題行動を起こすが多いクラスの担任に!最初のテストで平均点がダントツ最下位!半年間あることを続けたことで平均点が学年トップに!全国学力学習調査でも全国平均+10ポイントに!

 主任の意向に寄っては3月に予定されている「学級編成会議」を行わない場合もあります。ただ、私は少しでも子どもたちが満足する学級をつくりたいという思いが強かったため、4月に入ってから子どもを入れ替えたこともあります。

4.新クラス決定!担任も決定!

 このような作業を経て新しいクラスは決定します。ちなみに「このクラスは○○先生」と担任を決めるのは学年主任です。校長先生や教頭先生が学年部の先生を決めた後、学年主任が「新しいクラス」と「新しい担任」の組み合わせを行います。私の経験では1度だけ、主任が決めた担任に対して校長がNGを出したことがあります。

5.モンスターペアレントの希望が最優先!

 ある学校に赴任して1年が経過していた頃の話です。私は持ち上がりで中学2年生の担任をすることが決まっていました。

 中学1年の担任をしているときに、私のクラスに「小学校で不登校だった2人の子ども」がいました。1人は入学式に参加し、1人は不登校を継続しています。
 私はそれぞれに合った支援を考えて実行しました。これにより1人は4月からの登校継続し、もう1人は5月から登校を開始、そのまま登校を継続することができたのです。

 隣のクラスのサキちゃん(仮名)は、中学1年生で不登校になってしまいます。5月から不登校となってしまったサキちゃんは、中学1年生の間は、ほとんど学校に来ることができませんでした。その状態を見ていた学年主任は私に相談をしてきます。

「4月からサキちゃんをお願いしていいかな?」
「AとB(小学校で不登校の2人)は別のクラスにするから!」
「サキちゃんを頼むよ!」

 私は主任の依頼を快く引き受けました。ただ、AとBの担任も引き続き行うことを条件に出しました。なぜなら、不登校が解決した子が安定して登校できるようになるには2年は必要であると経験で分かっていたからです。もちろん、学年主任はOKをしてくれました。

 サキちゃんママは、小学校のころから「(プチ)モンスターペアレント」と言われていました。サキちゃんが不登校になってからは定期的に学校に来ては校長に苦情を言っています。

「不登校を解決するためにはサキちゃんママとの関係がポイントとなる!」

 このように考えた私はサキちゃんママについての情報を収集します。すると、サキちゃんママが私が住んでいるところから少し離れたスーパーに勤めている事が分かりました。私は買い物をするときは、意図的にそのスーパーを利用するようにします。サキちゃんママと関係を良くするキッカケがあると感じたからです。

 4月に入り「学年会議」を行っていると、校長が会議場所に現れます。

「サキちゃんの担任は誰に決まった?」
「西川先生です。」
「西川先生もいいと思うけれど○○先生の方がいいと思うよ!」
「いえ、西川先生にお願いするつもりです。」
「いや、サキちゃんは男性の先生のクラスで不登校になったから女性のがいいと思うよ!」
「いえ、西川先生なら大丈夫だと思います。」
「いや、やっぱり女性の先生がいいでしょう!○○先生にして下さい!」

 後で分かったことですが、サキちゃんママは校長に新2年の担任の希望を伝えていたそうです。トラブルになることを恐れた校長はサキちゃんママの意見を採用します。そして、すぐに確認をしたところ担任が希望以外の人間であったため、半ば強引にサキちゃんの担任を校長命令で変えさせたのです。

 モンスターペアレントの親を持つ2年間不登校の女の子が登校開始!どうやって不登校を解決したの?モンスターペアレントのお母さんを味方にできた方法は?

→「学級担任」や「学校」「子育て」の悩みがある方はこちら!
→「学校の裏話シリーズ」アマゾン電子書籍で販売中!

コメント

タイトルとURLをコピーしました