「あの子は遅かれ早かれ不登校になっていた!」学級崩壊クラス担任の言葉!問題行動を子供のせいにする教師達①

荒れた学校

悪いと思った人が注意をすればいいと思います?


1.教え子のお母さんから「妹」の相談が

先日、教え子のお母さんから次のような相談をいただきました。

「西川先生、お久しぶりです!」
「あの時はお世話になりました。」
「○○は大学生になりました。」
「西川先生のような先生になりたいと言って教員課程を受けています。」

このように言ってもらえるのは嬉しい限りです。

「突然で申し訳ないのですが・・・・。」
「先生に相談したいことがありまして・・・・。」
「小学校6年生になった○○の妹の事なんです。」
「妹のクラスが・・・・。」

私は○○くんの家に家庭訪問をしたときの事を思いだしました。

『あの子がもう小学校6年生なったのか~!』
『○○が大学生になっているわけだ!』

2.担任は○○大学付属中学校から異動してきた

「担任は4月に異動してきた先生です。」
「前任校は○○大学付属中学校だったそうです。」
「そこで、6年間の研究と研修を終えてきたと・・・。」

先生の中には「○○大学付属中学校(小学校)」や「研究指定校」「教育大学院」で勤務をする方がいらっしゃいます。

このような先生方に対する私の印象は・・・・。

『一定レベルの学力を持っている子供たちは上手に扱えるが・・・。』
『成績や能力にバラつきのある公立学校では・・・。』
『クラスを学級崩壊させてしまう先生もいるんだよな~。』

本当に優秀で尊敬できる先生もいました。

ただ、私が一緒に仕事をさせていただいた先生の中には「特定の条件がそろっている学校」でしか力を発揮できない先生もいたのです。

3.子供を怒らず気づかせる学級運営をする?

「4月の最初の授業参観で先生は次のように仰いました。」

『私は子供を叱り(怒り)ません!』

「その理由についても話して下さいました。」

『子供は考える力をもっています。』
『さらに言うと、自分で気づく力ももっています。』
『勉強でも、学校生活でも、私はこの力を大切にしていきたいと思います。』
『これが文部科学省の言う「生きる力」なのです。』

お母さん方は「先生の話」を聞いて共感したそうです。

ただ、後から振り返ってみると、次の言葉が心に引っ掛かったと言っていました。

『私は子供を叱り(怒り)ません!」

4.暴言を吐く子や友達をカラカう子が増えた

1学期の終わり頃、お母さん方の間で次のような話が出始めます。

「Aくん(ヤンチャな子供)が、授業中に暴言を吐いてるらしい!」
「先生の指示に対して文句を言っているらしい!」

『あ~うぜ~な~!』
『めんどくさい!』
『なんで、そんな事をやらなきゃダメなの?』

「BくんやCくんも一緒になって騒いでいるらしいよ!」
「でも、先生は注意はしないらしいよ!」

どうやら、先生に怒られない(叱られない)事が分かり、エラそうな態度をとっている子供がいるようです。

「Dちゃんが不登校になったらしいよ!」
「授業中に発表したら、その子たちにカラカわれたらしいよ!」
「その時も先生は注意をしなかったんだって!」

5.子供たちにも「怒らない!」と宣言した担任

お母さんは娘さんにクラスの様子を聞きます。

「先生が4月の最初にクラスで次のように言ったの!」

『先生はみんなを怒りません(叱りません)!』

担任の先生は親御さんダケでなく、クラスの子供たちにもハッキリと言ったようです。

「それを聞いたAくんが次のように言った!」

『ラッキー!』
『何しても怒らないだよね!』
『先生を怒らせる事をしようぜ!』

この時、Aくん達は先生を試したのだと思います。。

もしかしたら、冗談のつもりで発言したダケだったかもしれません。

6.「今は何をする時間かな?」と聞かれた子は・・

「Aくん達は授業中にふざけたり、おしゃべりしたり、出歩いたりしたの。」
「でも、先生は注意をしなくて・・・。」
「たまに、注意をするときも優しく声をかけるダケなんだよね。」

『今は何をする時間か考えましょうね~。』
『しゃべる時間かな~?』
『何のために出歩いているのかな?』
『周りの仲間の気持ちを考えてみようね~。』など

「先生が何を言っても、Aくん達はふざけて返すだけ。」

『考えました~!』
『しゃべっていい時間だと思いま~す!』
『友達と話すために出歩いています!』
『みんなは嬉しいと思いま~す!』など

最初は先生を試すダケのつもりだったのでしょうが、何をしても「怒られない(叱られない)」ことで、Aくんたちの箍が外れてしまったのでしょう。

娘さんは最後に次のように言ったそうです。

「先生はAくんたちに何も言わなくなったよ!」

7.授業参観で「ムリ~」「うぜ~」と発言する子

2学期に入ってスグに授業参観があったそうです。

そこでは、授業参観にも関わらず、次のような光景が目に入ってきます。

・半分の子供は先生の話を聞いていない。
・先生が指示を出しても「やだ~!」「ムリ~!」「うぜ~!」と声が出る。
・先生は何も言わずに授業を続ける。
・寝ている子供がいる。
・勝手に出歩く子供がいる。
・一部の子供の発表だけで授業が進む。
・座ったままの子供がいても授業終了のあいさつをする。
・授業後すぐに先生は職員室に戻っていく。
・子供たちは机の上に座ったり、走り回ったりする。

これは、完全に「学級崩壊」であり、かなり「深刻な状態」と考えて良いでしょう。

なぜなら、この光景は「授業参観」の光景だからです。

普通はどんなに悪いクラスでも「授業参観」では少しは猫をかぶるのですが・・・。

※ もしかしたら、この光景が「猫をかぶっている」状態なのかもしれません。

8.あの子は遅かれ速かれ不登校になっていた

授業参観終了後、お母さんはママ友と一緒に職員室に向かいます。

そして、担任の先生に「授業態度」についての心配を伝えたのですが・・・。

「子供たちには、考えるキッカケを与えています。」
「子供たちが自分で考え、そして、行動しなくては意味がありません。」
「自分で考え、行動できるようにするのが教師の仕事なのです。」

ママ友が次のような質問をしたそうです。

「Dちゃんは、授業中にカラカわれて不登校になったと聞いたのですが・・・。」

すると担任は次のように答えます。

「個人情報なので詳しくは言えません。」
「ただ、Dさんは他人の目を気にしすぎる性格です。」
「そこから、集団への苦手意識を持つようになっていました。」
「Dさんは遅かれ早かれ不登校になっていたはずです。」
「まあ、小学校で自分の『向き不向き』が分かったのは良い事だと思っています。」

9.学級崩壊について校長に相談する

担任の考えに納得できなかったお母さん達は、次のように思ったそうです。

『このまま担任と話をしていても埒が明かない。』
『学級崩壊について校長や教頭に伝えなければ!』

お母さん達は校長室に向かいます。

突然、校長室をノックすることに緊張を覚えたそうですが、子供のためを思って勇気を出してノックをしたそうです。

校長先生は笑顔で校長室に入れて下さり、真剣に話を聞いて下さいました。

お母さん方が授業参観の様子を伝え終わると・・・。

「実は、少し前に他のお母さん達からも同じ話を聞いたばかりなんです。」
「主任会で彼(担任兼主任)からは、『特に問題なし』と聞いていたのですが・・・。」
「正直、私も驚いているんです。」

どうやら、クラスが「学級崩壊状態」である事は校長先生に伝わっていなかったようです。

10.話し合いから1週間が経っても・・・

「実は何度か6年生の授業は見ていて・・・。」
「少しずつ騒がしくなっているのは知っていたのですが・・・。」
「担任に確認をすると『問題ありません』『必要な状態』と言われて・・・。」

どうやら、校長は担任が「○○大学付属中学校」から来たということで、「生きる力に必要な段階である」という言葉を信じてしまっていたようです。

「この後、すぐにでも彼から話を聞いてみます。」
「学校として子供たちのために最善を尽くします!」

校長と話ができたことで、お母さん達は安心して学校を後にしました。

しかし、1週間が経っても学校から「今後」についての「連絡」や「通知」はありません。

『親に連絡はないけど、対応をしてくれているんだろうな。』
『少しずつクラスが良くなってくるんだろうな。』

このように思っていたお母さんが、娘さんにクラスの様子を聞いてみると・・・。

「何も変わっていないよ!」

11.校長が本気で学級崩壊改善に乗り出した!

お母さん達は「PTAの学年委員」と一緒に「学級崩壊」についての相談を校長にします。

すると、「相談の場」で次のような内容が校長から語られました。

「連絡が遅くなって申し訳ありません。」
「学校は6年1組を学級崩壊に近い状態と考えています。」
「そこで、来週から6年1組の授業に補助員を配置します。」
「しかし、補助員を雇うことはできないので、私と教頭、教務の3人で補助を行います。」
「基本的には、全ての授業に3人のうちの誰かが付く予定です。」
「ただ、出張や会議などで担任が1人で授業を行うこともあると思います。」
「それでも、可能な限り私たちの3人が6年1組を補助したいと思っています。」

校長先生は「学級崩壊状態」であることを認め、現状で可能な対応を考えて下さったようです。

「保護者の方にお願いがあるんです。」
「クラスが気になると思うので、いつでも見学に来て下さい。」
「授業を見ている人数が多い方が良いと思うんです。」
「それにより、少しずつですが落ち着いて授業に取り組めるようになるんです。」
「毎日が授業参観と思っていただき教室に来て下さい。」
「他のお母さん方にも広めていただいて結構です。」

12.理想の対応ではなく現実に即した対応を!

お母さんは私に次のように聞いてきました。

「校長先生の対応は正しいのでしょうか?」
「これで学級崩壊は改善するのでしょうか?」
「担任の先生が変わらなくてもよいのでしょうか?」

私は「25年の教員経験」から、次のようにお伝えさせていただきました。

「私が生徒指導主事の時も同じような対応をしたことがあります。」
「大人(担任)は簡単には変わりません。」
「特に自分に『自信のある』人間はなおさらです。」
「もちろん、理想は『子供たちが自分で気づき行動を変える』事です。」
「ただ、それに時間がかかる場合は『教師の管理』も必要だと思います。」
「理想の対応ではないかもしれませんが、安心する子供が増えるはずです。」
「Aくん達にしてみれば、イヤな状態でしょうね。(笑)」

13.教頭先生は「出歩き」や「私語」を注意!

少し経って娘さんの表情が明るくなってきたそうです。

「最近、教頭先生や校長先生が授業に来るようになったよ!」
「お母さん達が来る日も多いよ~。」
「○○くんのお母さんや□□くんのお母さんは、毎日、教室に来てるよ!」

表情が明るくなった事やクラスに対しての発言から、Aくん達の問題行動が少しずつ落ち着いて来ているように感じます。

「昨日、教頭先生が教室に来た時、Aくんが出歩いておしゃべりしてたんだ!」
「それを見た教頭先生がAくんを廊下に連れ出したんだよ!」
「そして、廊下でAくんを怒ってた!(怒鳴ったりではないようです)」
「そうしたら、いつも五月蠅いBくんやCくんが静かになったんだよ!(笑)」

教頭先生は、子供が「悪い事」をした時にシッカリと「注意する」先生のようです。

14.教頭先生カッコいい!頼りになる!

教頭先生の指導により、BやCは静かになって来たようです。

もちろん、何度か注意を受けているAも静かになって来ています。

すると、女子達の中で「意外な言葉」が囁かれるようになりました。

「ねぇねぇ。」
「教頭先生ってカッコよくない?」
「普段は面白いのに、怒るときはビシッと怒るよね!」
「頼りになる感じだよね~!」
「教頭先生が担任だったら良かったのに!」
「昼休みに教頭先生のところに行こうよ!」
「いいね!」
「そうしよう!」

ルッキズムではありませんが、教頭先生はお世辞にも「イケメン」の部類ではありません。(笑)

それでも、メリハリの付いた指導を行っていた事や芯の通った指導を行っていた事で、女子達には「頼もしい存在」と映ったのでしょう。

そこから、クラスの女子達は「教頭先生ガッコいい!」「教頭先生と話したい!」と思うようになったのでしょう。

この後、教頭先生や校長先生、教務主任の先生の補助により、6年1組の「学級崩壊」は少しずつ改善していきます。

15.校長に呼ばれた担任が最初に言った言葉

話はココで終わりません。

実はその小学校の教頭先生は私の知り合いだったのです。

ここから先は教頭先生から聞いた「本当の裏話」となります。

話は「授業参観後にお母さん達と校長が話し終わった」時に戻ります。

校長はスグに教頭と教務を校長室に呼び、今後の対策について話をしたそうです。

少しして教頭は職員室に戻り、担任の先生に「校長室に来て下さい」と声をかけます。

しかし、校長室に入った担任は開口一番、次のように言ったそうです。

「後5分で勤務時間が終わります。」
「お話は5分以内でお願いします。」

勤務時間の話を出されてしまっては校長は何も言えません。

※ 教職員調整手当が至急されているので、残業を命令しても問題はないのですが・・・。

結局、その日は担任から話を聞くことが出来なかったそうです。

16.校長、教頭、教務、担任の話し合い

翌日。

6時間目終了後、校長室では校長、教頭、教務主任、担任(主任兼務)で話し合いが行われました。

校長が担任に「学級運営(学級経営)」についての考え方を聞くと・・・。

「私は子供を叱り(怒り)ません!」
「子供は考える力をもっています。」
「さらに言うと、自分で気づく力ももっています。」
「勉強でも、学校生活でも、私はこの力を大切にしていきたいと思います。」
「これが文部科学省の言う『生きる力』なのです。」

担任が4月に保護者に言った内容と全く同じです。

これに対して、校長は次のように話して担任を誘導(?)しようとします。

「その考えは正しいと思うけど・・・。」
「悪口を言っている子供が気づくまで待つの?」
「その悪口で不登校になってしまった2人はどうするの?」
「授業中に出歩く子もいるらしいね。」
「そのせいで、授業に集中できない子供もいると思うんだけど・・・。」

17.私は「出歩き」などが悪いと思わない?

校長の誘導(?)に対して、担任は次のように答えたそうです。

「僕は子供たちの行為が悪い事だとは思っていません。」
※ 行為=「出歩く」「悪口を言う」「おしゃべりをする」など
「本人が気づくために必要な事だと思っています。」
「自分で気づき、自分で考え、自分で行動を改める事が大切なのです!」

さらに担任はこう続けたそうです。

「もしそれが悪いと思うなら、そう思う先生が指導したらどうですか?」

口では理想を唱えていますが、コレが担任の最も言いたい事だったのではないでしょうか?

『子供たちが思い通りに気づかない。』
『○○大附属中学校の子供は気づいてくれたのに!』
『そもそも、悪口や出歩きなんて付属の子供たちはしなかった!』
『なんで、こんな当たり前の事が出来ないんだろう?』
『悪いのは私の対応ではない!』
『気づけない子供たちが悪いんだ!』
『だから、自分は悪くない!』

このように思っていたのではないでしょうか?

18.学校の価値観を押し付けたくない?

どうして「学級崩壊」していることを認めないのでしょう?

担任の「学級経営(学級運営)」によって、2人の子供が不登校になってしまった事実を受け入れないのでしょう?

担任が指導をする方向に誘導(?)したい校長に対して、担任は次のように言ったそうです。

「僕は自分の価値観が絶対だと思っていません。」
「僕が良いと思っても、他の人は悪いと思う事があるでしょう。」
「ただ、それは正しい事なのです。」
「様々な価値観があって、お互いに尊重することが大切なんです!」
「子供達も自分の価値観を持っていると思います。」
「僕はその価値観を大切にしたいと思っています。」
「ですから、子供達に学校の価値観を押しつけたくないんです。」

クラスの子供達がお互いの「価値観」を大切にし、お互いの「価値観」を否定せずに受け入れられたら・・・。

とても素晴らしいクラスになると思いますが・・・。

19.我慢をしている子の価値観はどうなるの?

担任の「価値観」は分かりました。

ただ、一部の子供の「価値観」によって、他の子供の「価値観」が踏みにじられているという現実が目の前にあります。

私が校長なら次のように担任に聞いてみたいところです。

「我慢して仲間の価値観を受け入れている子供の価値観はどうするの?」
「自分の価値観を押しつける子供はどうするの?」
「相手の価値観によって、不登校になってしまった子供が悪いの?」

しかし、校長は担任を誘導(?)することを諦めた(言えなかった?)ようです。

ただ、最後に次のように仰いました。

「先生のクラスに補助員をつけさせてもらいます。」
「補助員が『悪い』と思った部分は指導をさせてもらいます。」
「先生は今までどおり『学級運営(学級経営)』を行って下さい。」
「親御さんが心配しているので、先生の授業は全て自由参観とさせて下さい。」
「先生の素晴らしい『授業』や『学級運営(学級経営)』を、親御さんに見せてあげて下さい。」

担任は何も言わなかった(言えなかった)そうです。

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