祝!宿題の問題集を自然な状態で写すことができるようになった!

特別支援学級

宿題の問題集が未提出!その理由は?

※ この記事は境界知能の子をバカにする記事ではありません。
※ 彼は中学の3年間で着実に成長していきます。そして、希望した高校に合格。
※ 特別支援学校の教員を目指すようになります。

1.0点を取らないようにする放課後学習会

7月の初旬。

1学期の期末テストがあります。

私は部活がなくなる一週間前から、ヤマシンと一緒に「放課後学習会」を行いました。

この学習会の目的は「0点を取らないようにする!」ことです。

ヤマシンが最も苦手とする数学には記号問題がありません。

そのため勘が当たって正解する可能性もありません。

実際、中間テストの数学では「0点」をとってしまっています。

今回もまた、数学で「0点」を取ってしまうと、苦手な数学を「嫌い」と思ってしまうでしょう。

苦手な教科があっても良いのですが、嫌いになるのは良くありません。

嫌いになってしまうと、やる気がなくなってしまうからです。

2.努力をして結果がでることで子供に自信が

この放課後学習会にはもう一つの目的がありました。

それは「私の教科で10点を目指す」というものです。

勉強の基本は暗記です。

これは努力でなんとかなるものです。

もちろん、高得点を取ろうとするのであれば、理解力や継続、発信力なども必要になってくるでしょう。

ただ、ヤマシンが目指しているのは「100点満点中の10点」です。

この程度であれば、少しの努力で達成できるはずです。

もし、1学期の期末テストで1つでも「10点以上」が取れたのであれば、それはヤマシンの自信につながることでしょう。

自信がつけば、やる気も増し、その教科を「好き」になってくれます。

「苦手だから嫌い!」ではなく、「苦手でも好き!」という思いになれば、将来、勉強が必要になったときに役に立ちます。

さらには、「やれば出来る」と言う気持ちも大切です。

努力して、それが実を結び、結果を出すことが出来れば、それは子供の自信につながるからです。

3.テスト当日に提出する問題集について

本来の放課後学習会の目的は「0点をとらない」「1つの教科で10点以上をとる」の2つです。

しかし、私は1学期の期末テスト前にヤマシンに教えなければならないことがありました。

それは、提出する問題集についてです。

「ヤマシン!問題集のことなんだけどさ!」

「先生!大丈夫!今回はしっかりやるよ!」
「分からないところは赤で書けばいいんだもんね!」
「大丈夫!任せて!ちゃんと期限を守るよ!」

ヤマシンは1学期の中間テストで学んだことを忠実に行おうとしています。

これは、とても良い事です。

しかし、私が話をしたいのはそこではありません。

→テスト問題集のやり方を教えたら・・・・(問題集編①)

4.全部、赤で書くと写したのがバレバレだと・・・

「あのさ・・・・。えっと・・・・。」
「全部、赤ペンで書くっていうのはどうかと思うんだけどな・・・。」

「えっ?どういうこと?だって、全部、分からないんだよ!」
「分からないところは答えを見て赤で書くんでしょ?」

「いや、あの~、そうなんだけど・・・。」
「全部、赤だと、完全に写しましたってバレバレじゃん。」

「ん?だって、写しているんだからバレていいんじゃないの?」

「そうなんだけど・・・。いかにも写しましただとね・・・・。」
「ちょっとは、ちゃんとやりましたって感じを出した方がいいというか・・・。」

「ん~?先生の言っている意味が分からないな~。」
「で、先生は僕にどうしろって言うの?」

5.自然な答えの写し方を伝授!

教師の私が教えて良いのか今でも考えてしまいますが、私はヤマシンに「自然な答えの写し方」を教えます。

「例えばね。3問は鉛筆で答えを書いて、赤ペンで○をする。」
「次の1問は×をして、赤で答えを書くみたいなのはどうかな?」
「あくまでも自然に、ちゃんとやりました感を出した方がいいと思うんだよね!」

「ん~?先生の言っている意味はよく分からないな~!」
「とにかく、鉛筆で書いて○をする部分を作ればいいんだね!」
「分かった!やってみるよ!」

「お~!分かってくれたか~!良かった良かった!」
「今回は提出期限は守れるかな?」

「大丈夫!やり方も分かったから!」
「ちゃんと期限を守って出すよ!」

6.約束を守り問題集を提出したが・・・・

1学期の期末テスト当日。

ヤマシンは全ての教科の問題集を家でやり教科係に提出をします。

1学期の中間テストと比べると、ヤマシンが成長していることがわかるエピソードです。

放課後。

教科係の子が集めた問題集を持ってきてくれました。

私は係の子にお礼をいい、いの一番にヤマシンの問題集を確認します。

するとそこには・・・・・。

すぐさま、他の教科の問題集も回収します。

するとそこにも・・・・・。

7.○○○×○○○×○○○×の繰り返し

完全に私の説明ミスでした。

ヤマシンがピュアボーイであることを忘れていました。

2回目の問題集提出で、ヤマシンは丁寧に私の言った言葉を守って問題集を行ったのです。

・1~3問が鉛筆書き、赤ペンで○。
・4問目が×をつけ赤で答えを記入。
・3問が鉛筆書き、赤ペンで○。
・4問目が×をつけ赤で答えを記入。
・3問が鉛筆書き、赤ペンで○。
・4問目が×をつけ赤で答えを記入。・・・・・

5教科全ての問題集が規則正しく○○○×○○○×○○○×を繰り返していたのです。

8.説明ミスを反省!今度は丁寧に説明!

2学期の中間テスト1週間前。

前回、私は「自然な答えの写し方」として下記のように説明をしてしまいました。

「3問は鉛筆で答えを書いて赤ペンで○をする。」
「次の1問は×をして赤で答えを書く。」

これは完全に私の説明ミスです。

そこで、私はピュアボーイであるヤマシンの性質を考えて説明をすることにします。

放課後学習会の時間になりました。

私はヤマシンを呼び問題集の話をします。

「ヤマシン、あのさ!」
「前回はちゃんと問題集を出してエラかったね!」
「でもさ、○○○×○○○×○○○×って続いていたから不自然なんだよね!」

「え~、だって先生がそう言ったじゃん!」

「ゴメン!先生が悪かった!」
「だから、今回はこういう感じて答えを写してくれない?」
「1ページに×を2~3個入れる。ただ、×はランダムにしてね!」

「分かった!1ページに×を2~3個入れればいいんだね!」

「そう、でも×はランダムね!」

9.提出された問題集の解答は、また、不自然だった

2学期の中間テスト当日。

ヤマシンは全ての教科の問題集をやってきたようです。

そして、自分で教科係の子に提出をします。

これは1学期の期末テストと同じです。

私はヤマシンの問題集を早く確認したくて仕方がありませんでした。

しかし、ここは我慢です。

放課後。

教科係の子が集めた問題集を持ってきてくれます。

私は係の子にお礼を言い、いの一番にヤマシンの問題集を確認します。

するとそこには・・・・・。

すぐさま、他の教科の問題集も回収します。

するとそこにも・・・・・。

どうやら、今回は「ランダム」という言葉を理解していなかったようです。


10.OJTで自然な答えの写し方を取得

2学期の期末テスト1週間前。

私は問題集の説明をやめました。

もちろん、不自然な問題集を提出させるつもりはありません。

私は「答えの写し方指導」を行います。

「ランダムに」「自然に」をキーワードとして、一緒に答えを写したのです。

いわゆるOJTというやつですね。

一緒にやったことでヤマシンは「ランダム」「自然」という感覚を理解したようです。

その後、ヤマシンは自然な問題集を提出するようになりました。

宿題を提出する習慣が身についたヤマシンは、少しずつですが、答えを写さずに自分でやるようにもなっていくのです。

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